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訪問・出張買取のリスク、注意点
訪問買取・出張買取とは?
訪問買取とは、業者が家庭や職場を訪問し、貴金属などの価値のあるものを鑑定して買取を行うことです。こうしたことを行うためには。「行商従業者証」もしくは「古物商許可証」の携帯が義務付けられているのだが、ルールを守った上で訪問買取・出張買取を行うこと自体は違法ではありません。
自宅まで不用品を引き取りに来てくれる訪問買取の方法は大きく分けて二つ。
一つは事前に電話などによるアポイント(約束)を取り訪問を行う方法。もう一つはアポイント(約束)を取らずに飛び込み形式で訪問を行う方法です。どちらの方法でも自宅まで来てくれるので、足を運ばなくても商品を買い取ってくれるというのは、一見すると同じで便利に思えます。
希望していないものまで買い取るのは悪質
不用品を普通に買い取るだけなら問題はないのですが、ユーザーが買取を希望していない、貴金属などの高額品を二束三文の金額で買い取りしてしまうというところに問題があります。
訪問買取の手口
各地の消費生活センターに寄せられた相談をもとに、いくつかの訪問買取の手口の内容を紹介します。
訪問買取トラブル事例1
業者が突然訪問してきて、「リサイクル業者のものですがお手元にある貴金属を買い取らせて欲しい」と言われる。断わったにもかかわらずしつこく勧誘をされ、仕方なく貴金属を1点2,000円という相場よりも大幅に安い価格で売却してしまった。
訪問買取トラブル事例2
貴金属の買取業者を名乗る人間が「チラシを見ましたか?」と家を訪れる。チラシを見ていないと答えるとチラシを見せ、「いらない貴金属はないですか?」と聞かれ、持っていないと答えると「家族のものはないか?」など、手持ちの貴金属を出すように何度もしつこく強要される。
訪問買取トラブル3
業者からの電話で「いらない着物や衣類を買い取っている」または「アフリカに日本の余った衣類を無料で送っているのでボランティアに協力してほしい」などの勧誘の電話が入り、要らない物の整理になると訪問を承諾。実際の業者が来たら、「指輪やネックレスなどの貴金属を見せてくれ」という話になり、査定後、100万円以上の価値のある貴金属を数万円で買い取られ、持ち去ってしまった。
訪問買取トラブル4
着物や不用品を買い取ってもらうつもりで呼んだ業者が3人で訪問。当初の話になかった貴金属の買取の話をし始めた。相手が男性3人で訪問してきたため、怖くなり、断り切れずに手持ちの貴金属を安く売ってしまった。
訪問買取トラブル5
ちょうど衣類の入れ替えの時期に、知らない業者から電話があり「いおらないコートやジャケットがあれば買い取る」という話をされた。ちょうど良いタイミングだったので業者に来てもらうことに。しかし訪問した業者にコートを見せると「これだけでは困るので他にも貴金属などを見せて欲しい」と言われた。何度も断ったが家に居座られ帰ってくれない為、イヤリングやブレスレットなどの貴金属を5,000円で引き取ってもらうことになってしまった。
訪問買取トラブル6
知らない業者から「何でも買い取る」という電話が入った。相手は若い従業員で、こちらが「売るものがないから」と断ると「ノルマがきついから」「査定の勉強をしているから見せてもらうだけでもなんとかお願いします」と泣きつかれてしまった。若い従業員がかわいそうになり、訪問することを承諾。結局、訪問した業者に使わないアクセサリーなどの貴金属8点を総額8,000円で売却してしまった。
訪問買取トラブル7
知らない業者から「隣の県の業者だが、新しく市内に開店する予定なので瀬戸物や古い服はないか」と電話が入った。電話をしてきたのは女性だったこともあり、訪問を承諾。しかし実際に来訪してきたのは男性。用意してあった洋服には興味を示さず「コインや記念メダル・金貨やアクセサリー類はないか?」と聞いてきた。仕方なく引き出しの中からアクセサリーを出すと、引き出しの中から自ら高価なものを物色して抜き出した。テーブルの上に並べたアクセサリーに、自らのカバンから持参してきたアクセサリーを出して並べ、どれが自分の物かわからない状態になってしまった。業者は机の上に並べたアクセサリーの中からいくつかを抜き出し、契約書の明細欄に記入。1万円だけを渡して箱ごとアクセサリーを持ち去ってしまった。
関係のない話しから貴金属の話題へ
事例1と事例2は、飛び込みによる直接訪問、それ以外は電話によるアポイントを取った訪問買取の事例です。
着物や不用品などの買取という名目で電話をかけ、実際の訪問時にアクセサリーや指輪などの貴金属の買取へと移行していくパターンがほとんどです。
話術を使った巧妙な手口
最初から態度を豹変させて要求してくる業者もいるようですが、中には被害者の出した衣類や着物を「センスがいいですねぇ。素晴らしい」などと褒め、「アクセサリーも良いものをお持ちでしょうね。」と、見せることを要求するコミュニケーションを行う業者も存在します。話術を駆使して少しずつ手口が巧妙化しているのも気になるところです。
窃盗まがいの悪質な業者には要注意
中には事例7の業者のように、保管している場所から自分で選別をした上で要視してきた品物と巧みに入れ替えて持ち去るなど、窃盗まがいの方法まであるので注意が必要です。アポイントを取るのは若い従業員や女性など、被害に合う方の油断を誘いやすい人物が担当している場合が多いのも特徴です。
心理的なプレッシャーは相当なもの
実際の訪問は1人から3人といった多人数までさまざまで、女性の被害者の方は「男性だったので、怖くて断り切れなかった」などの声も少なくありません。自宅とはいえ、業者と自分しかいない空間だからこそ心理的なプレッシャーもあるのでしょう。
また、衣替えの季節など家の中を整理するタイミングでアプローチしてくる業者がいます。春や秋などの衣替えの季節や、年末や新年度のタイミングが狙われやすいのかもしれませんね。
法律による規制も行われている
貴金属の訪問購入トラブルによる被害が2010年から増加したことを受け、国では特定商取引法の改正を2012年8月に行った。法律の改正により以下のことが規制されています。
不招請勧誘の禁止
いわゆる「飛び込み訪問」による買取が禁止されました。また、断られた場合に繰り返し勧誘することや、威圧などで商品の引き渡しを迫ることなども禁止されています。
書面の交付
業者は買取内容の詳細(商品の種類、価格、代金の支払いなど)のほか、事業者の氏名や住所、電話番号、クーリング・オフについてを記載した書面を渡さなくてはなりません。
引き渡しの拒否
クーリング・オフの期間内に業者への商品の引き渡しを拒否することが可能です。手元に置いてじっくりと考えることもできます。
クーリング・オフ
契約締結をしてしまっても契約後8日間は無条件で契約の解除が可能な期間がクーリング・オフとして設けられています。
実際に出張買取の査定を体験
まとめ
いかがでしたか?
非常に便利な訪問買取ですが、実際にこのような被害にあっている方が多くいます。
対策としては
①業者選びは下調べを必ずして、慎重に行う事
②可能な限り1人での交渉は行わない
③顔写真付きの身分証の確認は忘れずに
④買取交渉をするのは目的の商品だけ
⑤高く売るなら訪問買取は利用せず、店頭買取を選択する
5番目に関しては身も蓋もないですが、訪問買取にはクーリングオフの期間があるため、8日間の値下げ変動リスクに備えた金額を業者は提示してきます。少しでも高く売る場合は面倒でも自分の足で店頭買取を利用するのが一番なのが間違いないですね!