悪質訪問業者に詐欺、ウクライナ情勢を悪用した手口にご注意!
2022年2月下旬にロシアが侵攻したことで、ウクライナの人々の暮らしが混乱に陥っています。
海外に避難するウクライナ人も日に日に増えたことで、海外からの支援が必要になっているのが現状です。日本国内ではウクライナ人道支援が、寄付などさまざまな形で展開されていますが、その全てが信頼できるとは限りません。
この記事では、ウクライナ情勢を悪用した手口を紹介していきます。
実際に寄せられている悪質な手口
国民生活センターには、ウクライナ情勢をかたった、悪質な業者の報告として次のようなものが寄せられています。
■ウクライナに送る衣類の買い取りと称した貴金属買い取り業者
これは、2022年3月に寄せられた報告です。ある日、Aさん(40代女性)宅に「ウクライナに送るための冬物の衣類を買い取りたい」という電話がかかってきました。
Aさんは、戦地で寒い思いをしている避難民に役立てばと思い、快く承諾しました。ところが、実際に訪問した業者は「貴金属を見せてほしい」と不可解なことを言い、肝心の衣類には見向きもしません。そこで、売却するような貴金属は無いことと、ウクライナに衣類を届けてほしいことを告げると「夕方改めてトラックで引き取りに来る」と告げて退去したそうです。ところが、その業者が訪れることはありませんでした。Aさんは、貴金属を買い取るための手口だと感じたそうです。
■新型コロナとウクライナ情勢を理由にした海産物の電話勧誘
こちらも、2022年3月に寄せられた報告です。Bさん(30代女性)は「新型コロナウイルスとウクライナ情勢で売り上げが激減しているので、協力してもらえませんか」と、電話で勧誘されました。
相手から「以前海産物を頼まれた北海道の事業者で、伝票から電話をかけた」と説明されたBさんは、断れずに海産物を注文しました。商品は代引きで支払い、受け取ったものの、よく見ると北海道の商品ではありません。金額も高いため、クーリングオフをしたいとの相談をしています。
寄付の中にも詐欺が紛れているかも?
ウクライナ支援では、さまざまな寄付も行われています。街頭やインターネットで、ウクライナ人道支援を謳った寄付を目にすることは多いでしょう。
しかし、寄付の中にも悪用した詐欺が紛れていることがあります。「ウクライナ人道支援」という言葉を鵜呑みにせず、まずきちんと確認しましょう。実際には存在しない団体であったり、無関係だったりするかもしれません。
特に注意しておきたいのは、クレジットカードから寄付できるケースです。
振り込みによる寄付でも詐欺被害に違いはありませんが、クレジットカード情報が流出した場合は二次被害に遭う可能性が高くなります。インターネット上でウクライナ人道支援に関する寄付が表示されていたり誘導されたりしたら、必ず運営元を確認することが重要です。そして、安全であると判断できたら寄付するようにしましょう。
「電話番号検索サイト」で調べる習慣を!
戦争や災害などが起きるとは、それに便乗した詐欺も横行しやすくなります。助けたいという善意を利用されて被害に遭わないためには、安易に承諾しないことです。
特に電話で勧誘された時は注意が必要です。その場で回答することは避け、いったん切ってから「電話番号検索サイト」で調べる習慣をつけると詐欺被害の予防になります。寄付についても、信頼できる運営元かどうか確認しましょう。