金相場、6年ぶり高値まで上昇もー貿易戦争や世界経済の先行き懸念で
(ブルームバーグ):金相場は2013年以来の高値まで上昇しそうな勢いだ。貿易戦争が激しさを増し、世界の成長見通しを巡る懸念が強まっている。
投資家はリスクヘッジに動いており、金相場は年内に1オンス=1400ドルに達する可能性があると、INTL・FCストーンの欧州・中東・アフリカ(EMEA)・アジア担当市場分析責任者、ローナ・オコンネル氏はみている。2019年6月7日のスポット価格は一時1348.31ドルと、取引時間中としては1年1カ月ぶりの高値を付けた。5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回ったことが材料視された。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の先物は一時1350ドルを突破した。
シンガポールで開催中の貴金属関連会議に先立ちオコンネル氏は電話で「このところ、主要な資産クラスの全てに疑問符が付いている。金の動きが活発になる時によくある状況だ」と説明。地政学的リスクがある程度残っていることや為替市場の不安定さ、市場がリセッション(景気後退)の可能性を視野に入れ、株式相場の重しとなっていることなどを指摘した。